純石鹸は、完全無添加石鹸?肌にやさしいって本当?

 

「できるだけ低刺激な洗顔を行いたい!」という方に選ばれているのが純石鹸や無添加石鹸。

ただ、口コミなどをチェックしていると、無添加石鹸と純石鹸を同一に考えている方が非常に多い!です。

 

そこで、ここでは純石鹸について、無添加石鹸とどう違うのか、洗顔に使われている人気の純石鹸を紹介したいと思います。

 

純石鹸とは、どんな石鹸のことをいうの?

純石鹸とは?

 

洗顔石けんの中でも、とくに肌に優しいといわれているのが純石鹸。

純石鹸は、「脂肪酸ナトリウム・脂肪酸カリウムが98%以上のもの」と規格が定められています。

(残り2%は、製造工程で生まれる不純物です。)

 

一方、界面活性剤、着色料、香料、防腐剤など、一般的に「刺激性が強い」といわれている成分(添加物)がひとつでも配合されていなければ、無添加石鹸といわれています。

 

 

実は、薬機法(旧・薬事法)などの法律で“無添加石鹸”の定義が定められておらず、どのように表記するかはメーカー次第。

極端な例を挙げると、着色料が配合されていなければ、その他の添加物が配合されていても、“無添加石鹸”となのです。

 

ですから、無添加石鹸は「全ての添加物フリー」ということではないと理解して、肌への優しさを考えて避けるべき成分をしっかり確認しておく必要があります。

 

上記の点で考えると、純石鹸は、合成着色料、合成香料、防腐剤、保存料などの添加物が一切使用されていないため、肌の負担の少ない究極の無添加石けんといえるでしょう。

 

 

純石鹸は、界面活性剤不使用ですか?

純石鹸や無添加石鹸にこだわる方は、多くの添加物の中でも、とくに「界面活性剤フリーかどうか?」

を気にされているように思います。

 

界面活性剤は、洗顔剤、シャンプー、ボディソープ、ハンドソープ、洗濯洗剤、食器洗い洗剤など、私たちの生活に欠かせない洗浄剤として使用されているのをご存知ですか?

 

界面活性剤の役割

界面活性剤の働き(イメージ図)

 

では、界面活性剤は、どのように汚れを洗浄するのでしょうか?

 

界面活性剤は、本来混ざり合わない水と油を混ざり合うようにする性質(乳化)を持っており、洗浄剤はこの性質を利用して、水と汚れを一緒に落とせるような仕組みになっています。

 

 

界面活性剤と純石鹸の関係性

純石鹸も界面活性剤の一種です。

 

美容系サイトや無添加を推奨する書籍では、“界面活性剤=悪である”というイメージを強くしていますが、界面活性剤は汚れを落とす上で重要な役割を果たしています。

 

たしかに純石鹸は、界面活性剤を配合していません。

しかし、石けん素地は、脂肪酸(油脂/動物・植物)と水と苛性ソーダを混ぜて化学反応をさせた成分なので、天然の界面活性剤といえるでしょう。

 

 

純石鹸は、脂肪酸+苛性ソーダで作られるナトリウム石鹸と、脂肪酸+苛性カリで作られるものをカリウム石鹸の大きくふたつに分けることができます。

一般的にはカリウム石鹸のほうがナトリウム石鹸よりも低刺激で保湿力も高いとみなされているので、肌が刺激に弱い方や敏感肌の方はカリウム石鹸を選ぶとよいでしょう。

 

界面活性剤配合のデメリット

界面活性剤が肌に及ぼす悪影響とは?

 

界面活性剤を配合するメリットは、消費者側よりも生産者側の方にあるかもしれません。

というのも、合成界面活性剤を洗浄成分として使用することで、コストを抑えた大量生産が可能になるから。

 

しかし、私たち消費者側からは、界面活性剤が肌バリアを破壊して角質層に浸透していき、肌内部の水分を逃してしまうデメリットは見逃せません

 

食器を洗うときに台所用洗剤で手がバリバリに荒れてしまったり、念入りにシャンプーしてもフケやかゆみを起こしてしまうことは、界面活性剤の代表的なデメリット例でイメージしやすいのではないでしょうか。

 

このように洗浄剤を使用して、知らずに肌にダメージを与えるのが合成界面活性剤の恐ろしさで、嫌う方が多い理由でしょう。

 

界面活性剤の選び方

肌にやさしい界面活性剤例

 

石けん素地も天然の界面活性剤であるということは「界面活性剤と純石鹸の関係性」でお伝えしています。

大切なのは、界面活性剤には「天然系」「合成系」の2種類があり、さらに天然系でも「天然系」「天然合成系」に分かれているのを知ること。

 

界面活性剤を洗浄成分として添加している洗顔石鹸を使用する場合は、天然系の界面活性剤を選ぶこと、肌への負担を少なくできるでしょう。

 

たとえば、代表的なものが卵の黄身に含まれているレシチンという天然系界面活性剤。

レシチンは天然の乳化剤、通常では混ざり合わない原材料を混ぜ合わせるので、マヨネーズ(酢と油)やマーガリン(バターと油)作りに使用されます。

 

また、サポニンカゼインも天然系界面活性剤でよくスキンケアアイテムに使用されている成分。

 

サポニンは多くの植物に含まれている成分で、水にも油にもなじむ特徴をもち、さらに抗酸化作用があるため主に食品添加物(防腐剤)に使用されています。

 

カゼインは牛乳に含まれるたんぱく質で、牛乳が分離しないのはカゼインの働きによるもの。

ただカゼインは乳化作用が弱く、実際には界面活性剤というより乳化安定剤として使用されることが多いです。

 

なお、天然系の合成界面活性剤の代表的なものにはラウリン酸Naや、アミノ酸系のココイルなどが挙げられます。

 

これら天然系の界面活性剤なら、洗顔石鹸に配合されていても低刺激で安全性も高いので、肌への負担を最小限に抑えられるでしょう。

 

 

純石鹸での洗顔は肌を乾燥させる?

アルカリ石けんの働き

 

純石鹸の口コミや美容ブログで情報を集めると、純石鹸の洗浄力や保湿力に疑問を抱いている声も少なくありません

 

いくら肌に優しいとはいっても、洗顔の用途である以上洗浄力や保湿力は不可欠、「純石鹸が洗顔に向かない」のかを見極める必要があります。

 

アルカリ石鹸が原因のつっぱり肌

アルカリ中和能力

 

洗顔後に多少のツッパリ感があるは、純石鹸の特徴のひとつ。

このツッパリ感から、世間では「純石鹸は乾燥しやすく洗顔には向いていない」と囁かれているのです。

 

「スーパーやドラッグストアに大量に流通している洗顔フォームの方が、洗い上がりがしっとりして肌が乾燥しにくい。」と思っている方も多いですが、それは大きな間違い。

純石鹸が汚れを落とす仕組みを考えると、純石鹸で洗顔した後のツッパリ感の理由がわかります。

 

純石鹸はアルカリ性で、そのアルカリ成分が肌表面に残っている汚れた皮脂や角質を溶かしていく仕組み

 

そして、石鹸が付着した皮脂と肌の表面にあるカルシウムが化学反応を起こし“カルシウム膜”へと変化。

このカルシウム膜は肌表面を覆うようにコーティングし、肌の潤いを守ってくれるのですが、それならなぜ肌のツッパリ感が出てくるのでしょうか?

(浴室などの皮脂汚れにアルカリ性洗剤が使用されることからも、アルカリ成分の洗浄力は疑いようがないですね。)

 

純石鹸を使った後に肌のツッパリ感は、アルカリ成分によって肌が活性化されている証拠

 

肌を覆っているカルシウム膜は時間をかけて分泌される皮脂によって溶けていき、アルカリ性を中和して肌本来の弱酸性に戻っていきますが、それがツッパリ感となって表れるのです。

(お肌がアルカリ性から弱酸性に戻るまで、30分から3時間ほど時間がかかると言われています。)

 

 

ただし、純石鹸の中には、石けん素地の原料に洗浄力の高い脂肪酸を使用している可能性も否めません。

もし、洗顔後に保湿ケア(化粧水や美容液)を行ってから時間と共に肌が乾燥(つっぱり感)するのなら、それは肌に対しての洗浄力が、強すぎる可能性があります。

 

保湿成分グリセリンの影響かも?

グリセリンを残す石けん製造方法

 

グリセリンは周り(空気中)の水分を取り込む吸収性に優れた成分で、石けん素地を作る工程(製造方法)によっては、保湿成分として残すことができます。

もし、純石鹸で洗顔をして乾燥肌に傾いたなら、グリセリンを残した純石鹸選びがおすすめ

(純石鹸に含むことができる、唯一の保湿成分といっても過言ではないでしょう。)

 

石けん成分にグリセリンを残した純石鹸を選ぶには、釜炊きけん化法(油脂を釜の中で加熱しながら苛性ソーダを加えて作る製法)や、コールドプロセス(加熱せず自然熱で作る製法)で作られているか確認すること。

どちらの製法も石鹸が完成するまで丁寧に手間暇をかけるため、素材に含まれる天然成分や有効成分を破壊せずそのまま残すことができるので、美容効果を高めた洗顔石鹸にも採用されています。

 

 

純石鹸はクレンジングの代用になる?

純石鹸でのクレンジングはおすすめしません。

 

最近では「ダブル洗顔不要」と謳われている洗顔料やクレンジング剤もよく見かけますが、純石鹸でメイクは落とせるのでしょうか?

 

本来洗顔は水性の汚れを落とし、クレンジングは油性(メイク)の汚れを落とすのが目的

もしも石鹸であらゆるメイクも落とせるようなことがあれば、この世の中にはメイク落としなんて存在しませんよね?

 

結論から言いますと、純石鹸でメイクの汚れは落とせないと考えたほうが、お肌に優しいスキンケアができるでしょう。

なぜなら、落ちにくいメイクを落とすために純石鹸でゴシゴシ洗顔してしまったら、その摩擦によって肌は傷つき、小じわや乾燥の原因になってしまうからです。

 

油分を使用していないパウダーファンデーションなど、一部のメイクアップ用品の汚れなら、純石鹸でも落とすことができます。

 

 

純石鹸にはデメリットがないの?

「天然せっけんで万能」と思われがちな純石鹸ですが、デメリットはあるのでしょうか?

 

ここでは、純石鹸を洗顔石鹸として使うことを想定した場合のデメリットについて考えてみましょう。

 

洗浄力が強すぎる、弱すぎる

何も添加していない純石鹸の洗浄力は、石けん素地のみ。

つまり、純石鹸は原材料として使用される脂肪酸のもつ洗浄力で、肌の汚れを落とすことになります。

 

問題なのは、肌に使用(浴用)する純石鹸のほとんどが、洗顔専用ではなく体(ボディ洗い)を想定しているということ。

 

体と顔の皮膚の違い

 

「顔を含めた全身の皮膚は、ひとつの石けん(洗浄力)で洗っても大丈夫なの?」という疑問が湧いてくる方もいるのではないでしょうか?

 

その答えは、上記の皮膚の厚みをみればおのずと見えてくると思います。

浴用石鹸は、基本的には皮膚の厚い、体、手、足の汚れを落とすことができる洗浄力を備えているので、顔のデリケートな皮膚への使用を考えると強すぎると考えられるでしょう。

 

当サイトでは、洗顔には純石鹸よりも洗顔石鹸を使うべきだと考えています。
その理由をさらに詳しく知りたい方はこちらをお読みください。

 

洗顔可能!洗顔用純石鹸人気ランキング

残念ながら当サイトでは「洗顔後の肌乾燥を防ぐには純石鹸より洗顔石鹸がよい」というスタンスなので、純石鹸で洗顔を行い、検証したわけではありません。

 

ですので、口コミや他の美容系ブログで「洗顔におすすめ」と、話題になっている人気の純石鹸をランキング形式で紹介しています。

 

ミヨシ 無添加 白いせっけん

 

 

“ピュアな無添加”にこだわりを持ったミヨシ石鹸、その代表格なのが無添加 白いせっけん

食用グレードの天然油脂を、時間をかけゆっくりと熟成して作っています。

 

天然成分(グリセリン)を閉じ込めた石鹸なので、洗い上がりのキシキシ感がないというのが高評価です。

また、少しこすっただけでもモコモコする泡立ちのよさで、洗顔中も気持ちいいと評判。

 

もちろん無添加せっけんで、敏感肌用石けんやベビーせっけんとしても安心して使えると人気を集めています。

 

ねば塾 化粧石鹸 やさしいせおと

 

 

お餅のように丸い形がキュートな化粧石鹸 やさしいせおと

 

石けん成分は、大豆油、菜種油、バーム油の純石鹸なので、オレイン酸やリノール酸を豊富に含んでおり、水溶性に優れているので、冷たい水にもすぐに溶けて洗浄力を発揮します。

 

それでいて肌に優しい使用感も人気の理由ですが、溶け崩れも少なく、ひび割れもしにくいので最後の最後まで使い切ることができると好評。

 

「丸い形をしていてツルっと滑ってしまう。」という意見もあるので、泡立てるには石鹸ネットが必需品になりそうです。

 

玉の肌 SAPE(セープ)

 

 

創業110年以上に及ぶ老舗の石鹸専業メーカー・玉の肌が販売しているSAPEは、玉の肌石鹸のスタンダードな石鹸だといえるでしょう。

 

敏感肌のことを一番に考えて作られたSAPEは、工場の近隣から取り寄せた牛脂を使用していることからも素材にこだわりがあるのだとわかります。

また徹底的な品質管理と梱包時に丁寧な検品が行われていることから、安全性も高く評価されているようです。

 

肌のうるおいを守るなめらかな使用感、昔から受け継がれた老舗ブランドのSAPEは、人の肌に寄り添った純石鹸ということで、肌のトラブルに悩んでいる多くの方に愛用されています。

 

牛乳石鹸カウブランド 無添加せっけん

 

 

釜だき製法で時間をかけ丁寧に作られた“カウブランド 無添加せっけん”

この釜だきの過程で自然に生まれる保湿成分・グリセリンの働きで、お肌のうるおいを守ってくれる純石鹸です。

 

カウブランド 無添加せっけんは、作る過程でアレルギーの原因となるアレルゲンを一切含まず、皮膚アレルギーテスト済みなので敏感肌の方も安心して使用されているという口コミが多数。

顔を含めた全身に使用できること、赤ちゃんなど敏感な肌にも安心して使えるので人気を集めています。

 

また、口コミでは通院中の皮膚科医推奨の純石鹸であることも報告されているので、あらゆる肌質の方に使用できそうです。

 

 

シャボン玉石けん(浴用)

シャボン玉石けん(浴用)

 

成分:石ケン素地

希望小売価格:130円

内容量:100g

 

昭和24年の創業以来、肌に優しい無添加で40年以上の歴史を紡いできた“シャボン玉石けん”。

昔ながらの釜だき製法(けん化法)で1週間~10日間かけて作り上げ、香料や色素、エデト酸塩などの化学物質を一切排除した、肌と環境への優しさが人気の商品です。

 

シャボン玉石けんは“純石鹸成分99%”をアピールしている純石鹸で、石鹸素地には肌に低刺激な牛脂と無農薬のパーム(パーム格油)を使用。

徹底した品質で、アトピーや敏感肌、ニキビ肌の方が愛用しているとの口コミも多く、皮膚科の専門医からもすすめられたことがあるという情報も確認できました。

 

今回人気ランキングで紹介した純石鹸は、どれも無添加の安心素材。

無添加せっけんは泡立ちにくいことが多いですが、泡立ちもよく使用感も抜群と評判です。

 

当サイトでは、純石鹸に負けず劣らずの、肌にやさしい洗顔石鹸をおすすめしています。

「皮膚科医がすすめる純石鹸よりも、本当に洗顔石鹸のほうが肌にやさしいの?」

そんな疑問(興味)が湧いたかたは、ぜひ、以下の記事を読んでみてください!

スキンケアアドバイザー目線で、純石鹸と洗顔石鹸を比較しています。