洗顔料と言っても固形石けんや洗顔フォーム、液体のリキッド、パウダータイプなど色々な種類があり、配合成分もそれぞれ異なります。
そこで、洗顔の目的をきちんと果たし美肌ケアにも取り組める、相性抜群な洗顔料選びのポイントを紹介します。
洗顔の目的とは
洗顔は日頃のスキンケアを行う上で基礎となるファーストステップ。
肌表面の汚れと余分な皮脂を洗い流す目的は、どの洗顔料でも同じですが、皮脂を洗い落とす洗浄効果には注意点があります。
必要以上に皮脂を洗い落とすと…
強い洗浄効果で必要な皮脂まで洗い落としてしまうと、潤い不足に陥ってしまいます。
適度な油分が必要なバリア機能が低下すれば、外からの刺激が肌へのダメージとなることも。
また、肌が乾燥を防ぐために過剰な皮脂分泌がおこなわれれば、皮脂量も増えてべたつきやすい肌へ傾いてしまいます。
洗浄力が弱く皮脂汚れが残ってしまうと…
逆に洗浄力が弱く皮脂汚れが肌に残ってしまえば、毛穴詰まりはもちろん雑菌が付着しやすくニキビの原因になることも。
そして、余分な皮脂が空気にふれると酸化しやすく、肌老化のひとつ「肌サビ」に繋がる恐れもあります。
肌にとって不要な汚れを落とし必要な皮脂を残すのが、柔らかく健やかな肌作りに必要です。
洗顔料のタイプで違う仕上がりと効果
では、なぜ洗顔料の目的は同じなのに数多くの種類が展開されているのでしょうか?
実は、洗顔料のタイプで違う洗い上がりや効果を知ると、洗顔料選びに役立つ特徴が掴めてくるのです。
固形石鹸の特徴
固形石鹸の特徴は、油分の配合が少ないのでスキンケア用品の美容成分浸透を邪魔しないこと。
口コミの中には「洗顔した後はお肌がつっぱる」という理由で低評価をつけている人もいますが、固形石鹸でつっぱりを感じるのは、余分な油分配合されていないためです。
たしかに、油分が多い洗顔料はしっとりした仕上がりですが、油膜となって肌表面に残れば洗顔後のスキンケア用品に含まれる美肌成分の浸透力は低下します。
化粧水や乳液、美容液でスキンケアをしているのに肌トラブルが改善されない場合は、油分の少ない固形石鹸を選ぶのもよいアイデアのひとつ。
また基本的に、固形石鹸は植物油脂を鹸化させた洗浄成分「石鹸素地」を使用しているので、他のタイプ洗顔料と比較すると少量でも十分な洗浄力を持ち、表皮の汚れや不要な皮脂、角質のみを落として必要な皮脂は残してくれます。
そのため、固形石鹸タイプはトラブル肌質の方でも安心して使用できる洗顔料タイプと言えるでしょう。
また、配合成分の効果を一層引き出せるように低温・自然乾燥させた、コールドプロセスや炊き込み法、枠練りなどの製造方法で作られたタイプも増えてきているので、石けんなのに美肌成分にもこだわることができるのもおすすめポイントです。
洗顔フォームの特徴
洗顔フォームは、泡立てやすいクリームタイプやポンプ容器の泡タイプが主流で、泡立てる手間が少ないという便利さが特徴です。
ですが、フォームタイプの洗顔料の洗浄成分は石けん素地ではなく「合成界面活性剤」の使用が一般的で、それをデメリットに感じる方が多いですね。
合成界面活性剤配合の洗顔料は肌触りが良く扱いやすいというのがメリットですが、肌質によっては必要な皮脂が洗い流されて肌が刺激を感じることがあります。
(特に低価格で市販されている商品は、安価で洗い流しても肌に残りやすい合成界面活性剤が配合されているので肌へのダメージは大きくなります)
加えて洗顔フォームタイプでしっとり仕上げるタイプは、配合量の30%から40%の油分を含んでいるため、洗顔後は肌表面に油膜を張ります。
油膜のおかげで洗顔後も潤い効果を感じますが、スキンケア用品の美容成分も弾いてしまう恐れもあるため、保湿成分を浸透させたい方には“しっとり系”の洗顔フォームはおすすめできません。
(もちろん、全ての洗顔フォームがおすすめできないのではなく、上記は一般的なお話です)
リキッドタイプ洗顔料の特徴
リキッドタイプ洗顔料の特徴は洗顔フォームと同じく油分の配合量が多く、洗顔後はしっとりと仕上がること。
ですが、このしっとり感も油膜が肌表面に貼られているなら、洗顔後のスキンケア用品の美容成分浸透を妨げてしまう可能性があります。
また、リキッドタイプ経験者の口コミをチェックすると他タイプの洗顔料と商品比較したら消費スピードが速く、コスパが悪いという意見が多いのも気になるところ。
とは言えクレンジング剤のように泡立てないタイプもあり、泡立てることを手間と感じている方には人気の洗顔料タイプとなっています。
角質層の水分が不足していて、基礎化粧品で丁寧な保湿ケアをする方には、浸透を妨げないように「どれぐらいの油分が配合されているのか」を確認するのがよいでしょう。
洗顔パウダーの特徴
パウダータイプ洗顔料は乾燥させた粉状なので、精製から使用までの保存期間が長く腐敗しにくいのが特徴的。
ただし、パウダー状からホイップ状(濃密弾力泡)にするには手間がかかり、面倒に感じる方も少なくありません。
中には泡立てないタイプもありますが、パウダー洗顔料の粒子サイズや形によっては洗顔料自身が刺激となる恐れもあるので注意しましょう。
(できるならサンプルや返金保証などを利用して、泡立てないパウダータイプならパウダー自体にざらつきがないか確認しましょう)
ですが、パウダータイプはパラベンなどの保存料に頼らずとも品質が劣化しにくいので、添加物による刺激を避けたい方にはおすすめの洗顔料となっています。
ジェルタイプ洗顔料の特徴
ジェルタイプ洗顔料は洗浄力と保湿力が高めで、洗顔と同時に保湿もできるのが特徴的で、水分と油分をバランス良く抱え込める“ジェル”の強みとも言えるでしょう。
反面ジェルタイプは粘度が強いので、よく泡立てて洗顔をした後にすすぎを十分に行わなければ、洗顔料が肌へ残りニキビや毛穴のつまりの原因となるデメリットもあります。
そのためジェルタイプの洗顔料選びは「しっかりと泡立てることができる」「洗い流した跡にべたつきが残らない」など、洗い残しの心配がない商品を選びましょう。
オイル洗顔料の特徴
オイルタイプ洗顔料の特徴は、油汚れとよく馴染むので、落ちにくいメイクもさっぱり落としてくれるクレンジング機能を兼ね備えた洗顔料が多い点です。
ですが、油汚れを落とすのに役立つ油分は、必要な皮脂まで除去して肌を乾燥させてしまうデメリットもあります。
とは言え、毎日忙しくできるだけ時短でスキンケアしたい人には“ダブル洗顔不要”のオイル洗顔料は魅力的なので、オイルタイプでの洗顔後は基礎化粧品でしっかりと保湿ケアをしましょう。
洗顔石鹸選びのポイント
洗顔料による違いに加えて、洗顔石鹸選びに役立つポイントも知れば、より自分と相性の良いアイテムを見つけることができます。
肌質ごとのおすすめ成分や、洗顔石鹸選びのもう一歩踏み込んだポイントを見てみましょう。
自分の肌質からの選び方
洗顔石鹸の選び方は、自分の肌質に合わせて“肌の汚れを取り除く”洗顔料選びが最重要ポイントです。
そのためには、自分の肌質が何なのかを知る必要があるでしょう。
その上で美容成分や有効成分といった配合成分を目安にした洗顔石鹸選びをすれば、不足しがちな潤いケアや肌トラブルの改善、予防にも役立ちます。
また化粧かぶれの経験がある方なら、合成着色料や合成香料、品質維持成分など刺激成分の配合チェックも重要です。
これらのポイントで絞り込んだ洗顔料の中から、無理のないコストパフォーマンスの商品を選びましょう。
1~3か月継続してみて全く効果を実感できないなら、1つの洗顔料にこだわらず次の洗顔料をお試しするのも良い選び方のひとつ。
肌のターンオーバー周期を目安に美肌効果が表われない洗顔料を継続するよりも、新しい洗顔料を試してみることが、自分にベストな洗顔料との出会いにつながります。
肌質別の洗顔石鹸おすすめ成分
洗顔石鹸の選び方に役立つ、肌質別のおすすめ成分をまとめました。
乾燥肌におすすめ成分「オレイン酸」
乾燥肌とは、肌表面の油分と水分のバランスが乱れて、水分が蒸発しやすい肌状態のこと。
肌内部の水分不足により、皮膚バリア機能の低下やターンオーバーが乱れがちなので、まずは乾燥を予防できる洗顔石鹸を選びましょう。
カサつきや潤い不足が気になる人におすすめなのが、天然成分のオレイン酸です。
オリーブオイルや米ぬか、ココナッツオイルに含まれているオレイン酸は、皮脂と成分構造が似ているのが特徴的。
さらに皮脂の成分であるスクワレン(※)を洗い落とす効果が弱めで、皮脂を残した洗顔が可能です。
(スクワレンは皮脂の成分のひとつで、肌を保護する天然クリームとも言われています)
オレイン酸は自然由来の成分で保湿力が高く、抗菌作用もあるとして無添加石鹸はもちろん、化粧水や乳液、クリームなどスキンケア用品でも活用されています。
ただし、思春期ニキビで悩んでいる人は、このオレイン酸はアクネ菌にとってエサになるるため、避けた方がよいでしょう。
脂性肌におすすめ成分「パーム油」
過剰な皮脂分泌と皮脂腺が活発になるため毛穴の開きによる毛穴の黒ずみ、ニキビなどの毛穴トラブルになりやすいことがオイリー肌の特徴。
ベタつきやニキビが気になる脂性肌の人は、優れた洗浄効果を発揮できるパーム油がおすすめです。
アブラヤシから取れる植物油のパーム油は、天然の保湿成分グリセリンを含んでおり、洗顔石鹸の石鹸素地やスキンケア用品の油剤としても使われています。
ステアリン酸やパルミチン酸という脂肪酸を多く含み、皮脂を構成するスクワレンをよく洗い流すため、パーム油は皮脂を洗い流すのに優れた効果を発揮できるのです。
また、皮脂は洗い流してもコレステロールを洗い流すのは苦手なので、角質層の潤いに必要な細胞間脂質まで洗い流すことはありません。
パーム油は潤い不足による皮脂の過剰分泌も予防できるので、大人ニキビ肌の人におもすすめの洗浄成分と言えるでしょう。
ただし、パーム油がもつ皮脂汚れの洗浄効果は、乾燥肌や敏感肌の方には刺激が強い恐れがあります。
洗顔後のつっぱり感が強く、肌状態によっては物足りないこともあるので肌質によっては注意をしましょう。
混合肌におすすめ成分「セラミド」
部分的にカサついたりベタついたり、顔の場所によって肌質が異なるのが特徴的な混合肌。
肌がカサついている場所は水分不足だけでなく、潤いを維持することも難しくなっている可能性があります。
一方、肌のベタつく部分は単純に過剰な皮脂分泌によるオイリーな状態もあれば、乾燥による防衛本能から皮脂量が増えている可能性もあります。
セルフチェックが難しいところですが、肌へのリスクを考えるとどの肌質にも使えて保湿成分が配合されている洗顔石鹸が良いでしょう。
混合肌は潤いを与えながら皮脂量を落ち着かせるケアとしてセラミド配合の洗顔料がおすすめ。
肌の角質層に存在するセラミドは、肌の水分量の80%ほどを保っているほどで、セラミドを補えば肌の水分保持力をグンとアップすることができるでしょう。
普通肌におすすめ成分「アミノ酸」
普通肌は、肌表面の油分と水分のバランスが保たれて、ニキビや肌荒れなど肌悩みも少ない状態。
毎日の洗顔でより一層の美肌ケアができる肌状態と言えるでしょう。
ですが、普通肌でも夏は皮脂分泌が活発になってベタつきやすくなり、冬なら空気も乾燥して潤い不足に陥ることも。
「自分は普通肌だから大丈夫」と油断せず常に肌質も変化していくことを知り、丁寧な洗顔で理想的な肌質を守っていくことが大切です。
そこで普通肌の方には、アミノ酸を取り入れたスキンケアをおすすめします。
アミノ酸は肌の元になるコラーゲンを作る主原料なので、アミノ酸が配合された洗顔石鹸を使えば、肌を守るアミノ酸や肌の潤いを保つセラミドも流出しにくくなります。
最強おすすめ人気ランキング…の落とし穴!?
「売れ筋ランキング」や「最新口コミランキング」といったランキング形式の情報サイトもネットでは増えており、当サイトでもいくつも掲載しています。
ですが、とくに気を付けて欲しいのが、その信憑性と自分の肌との相性について。
肌質や個人差、また肌トラブルの悩みや改善方法など人によって相性の良い洗顔石鹸も違ってきます。
たとえ同じ人でも時期や肌の状態、使い方によっては「絶対にこのランキングがおすすめ!」とひとつで終わらせることはできません。
公式HPだけの情報でなく、洗浄成分や天然ケア成分、美容液成分といった肌に役立つ成分の効果や、防腐剤や添加物などの安全性、さらには使用感、香りなどもチェックしたいところ。
成分詳細情報をすべて調べるのは難しいですが、当サイトではスキンケアアドバイザーが実際に使ってみた人気商品を厳選し、口コミ評価もチェックしています。
ぜひ肌タイプや悩みごとに調べ上げたランキングを参考にして、自分にとってのおすすめ商品を見つけてください!
洗顔料で違う仕上がりや効果、そして洗顔石鹸のもう一歩踏み込んだ選び方を知ると、より自分にぴったりなせっけんを見つけることができます。
商品の宣伝やパッケージ、洗顔料のイメージだけでなく、中身から見極めていくのもぜひ洗顔料選びのひとつに加えてみてください。
【肌トラブル、ひとりで悩まないでください!】
コメントには、自由なご意見をお待ちしております。
もし肌トラブルに悩んでいる方で、「より詳細な話を聞いてみたい。」というのであれば、ぜひお聞かせください。
以下はスキンケアアドバイザーとして、意見を求められたときにお聞きしていることです。
もちろん全てに回答していただく必要はありませんが、現状を知ることでより的確なアドバイスができるかもしれません。
質問事項
①悩んでいる肌トラブルは何ですか?
②目標(いつまでに、どうなりたい)
③いつから悩んでいるか?そのきっかけはあるか?
④ポイントメイク落とし
使用している商品、お手入れの強さ、コットンの使用有無など
⑤クレンジング方法
使用している商品、お手入れの強さや時間、洗う順序
⑥洗顔方法
使用している商品、お手入れの強さや時間、洗う順序
⑦化粧水
使用している商品、量、お手入れ方法(コットンやハンドプレス)
⑧美容液・乳液・クリーム
使用している商品、量
⑨日焼け止め
使用している商品、SPF、PA、量
⑩朝と夜のスキンケア
朝と夜のスキンケアで異なる点があれば
⑪ライフスタイル
・睡眠
・ストレス有無
・生活環境(冷房の有無・窓際での活動など)
・水分補給
・便通
・嗜好品(お酒や喫煙など)
・外での活動時間
・病歴
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