“太りやすい”“特定の病気になりやすい”という体質は、遺伝が関係すると言われています。
実は遺伝は、肌色、紫外線などの影響の受けやすさ、皮膚の厚さなど肌質そのものに大きく影響を与えています。
“ニキビが出来やすい肌質”そのものが家族から遺伝するとすれば、どのようにスキンケア行えば良いのでしょうか?

 


私の両親は二人とも毛穴が詰まりやすく、良くニキビができています。
私自身、思春期から皮脂分泌量が多くニキビが絶えませんが、これは遺伝で予防法はないのでしょうか?

 


乾燥肌や脂性肌は遺伝するといわれていますが、アクネ菌は遺伝しません。
ですので、ニキビができやすいのはケア用品を変えてみる、生活環境を見直す、代謝改善することで、ニキビはできなくなるでしょう。

 

 

ニキビの原因、アクネ菌の多い体質は遺伝するの?

ニキビの要因となるのが“アクネ菌”だからか、ニキビケア用の治療アイテムには“アクネ菌を殺菌する”ことを想像させる言葉が商品パッケージやポップ表示に使用されています。
そのせいで、ニキビが出来ている人にのみアクネ菌があるように思われていますが、実はアクネ菌自体は誰のお肌にも常時存在している“皮膚常在菌”です。

 

普段は影響や危険性全く意識せずに生活をしていますが、私たちの体には表皮ブドウ球菌、マラセチア菌といった複数の菌が1兆個程度存在していて、アクネ菌もその中の1つ
すっかり悪者になっているアクネ菌ですが、実はお肌の保湿効果には欠かせない菌なのです!
というのも、アクネ菌は皮脂膜を構成しているグリセリンと脂肪酸を作り出し、肌バリア機能に一役買っているから。
もし、アクネ菌が存在しなくて皮脂膜が十分な役割を果たせないと、肌環境は悪化し肌内部の潤いは外に向けて蒸発してしまいますし、外からの細菌(※)からも肌を守ることができません。

 

そして、このアクネ菌などの菌群は遺伝することがなく、「アクネ菌が遺伝してニキビになりやすい肌質になる」ことはありえないでしょう。

 

ただし、アクネ菌の数は遺伝しないですが、アクネ菌に反応する免疫系体質は両親から遺伝することが分かっています。
アクネ菌が毛穴に繁殖してしまうと体の持つ免疫細胞がアクネ菌を異物だと認識し、インターロイキン1αという成分が分泌されることでニキビの炎症として表れるのです。
つまり、アクネ菌の数は遺伝しないけれど、ニキビの出来やすさは遺伝するということになりますね。

 

※皮脂膜はPH値を4.5~6.5(弱酸性)に保つことで、外からお肌に浸入しようとする細菌を酸パワーで殺菌します。

 

 

肌質は遺伝が関係している?肌のキメと肌の強さ

“ニキビ肌が遺伝”というのは、正しくは“ニキビができやすい肌質が遺伝“だと思います。
100%の確率で両親の肌質を引き継ぐ可能性はありませんが、このページの最初でお伝えした通り、肌色、肌のキメ、皮膚の厚さ、毛穴の大きさ、ダメージの修復力(肌の強さ)、毛穴タイプは遺伝が関係します。

 

次に挙げるニキビができやすい肌質を遺伝してしまうと、手抜きスキンケアをしたり、生活習慣やホルモンバランスが乱れると他の人よりもニキビが発生しやすくなるでしょう。

 

肌の修復力が弱い肌質

肌の修復力が弱いと、外からの刺激を受けやすく肌バリア機能低下に繋がる傾向があります。
そして、肌バリア機能が低下してしまうと、外からのダメージがダイレクトにお肌に影響伝わり、お肌のターンオーバーを遅らせる原因になることも…。
お肌のターンオーバーが遅くなると、不要な皮脂が肌表皮に残されたままになるので、それが毛穴の内側に詰まりニキビや肌トラブル原因となるのです。
この場合は、ターンオーバーの促進が行える方法として、ピーリング洗顔、酵素洗顔、重曹洗顔などのケア方法がおすすめです。
(ただし、過度のターンオーバーは逆に皮膚を弱らせてしまうので、くすみやざらつきなど角質肥厚と思われる肌状態でない場合は控えた方が良い場合もあります。)

毛穴の大きさが小さい肌質

毛穴の大きさは日頃のスキンケアによる影響も大きいですが、“元々の毛穴の大きさ”は遺伝によるもの。
そして、小さい毛穴は詰まりやすく・洗い流されにくいのでニキビになりやすくなります。
毛穴が小さい場合は、ホットタオルなどを利用して毛穴を開いた状態で洗顔するなど、ニキビ予防・ニキビ対策を意識した洗顔を行いましょう。

多汗症

多汗症の中でも部位別に細かく分けた“顔面多汗症”は、ニキビの原因になるケースがあります。
というのも、多汗症の汗はさらりとし毛穴の詰まりにはなりませんが、汗に花粉や粉塵がつき、毛穴に侵入することが考えられます。
そして、この多汗症の遺伝については佐賀大学の研究チームが多汗症を引き起こす遺伝子があることを発表しており、両親ともに多汗症であれば7割程度、片親が多汗症であれば4割程度遺伝するのではないかと言われています。
とはいえ、多汗症を遺伝しても、こまめに汗を拭き取ればニキビに繋がることはありません

ホルモンバランス

女性ホルモンが多い、男性ホルモンが多いといった情報は両親から遺伝として子供に伝わることがわかっています。
そして、ニキビの原因の1つに男性ホルモンと女性ホルモンのバランスの乱れが挙げられますが、それは角質の柔軟性が損なわれ、その結果皮脂の過剰分泌や肌バリア低下に繋がるから。

 

もし、ホルモンバランスの崩れでニキビができやすい肌質になっているのであれば、しっかり保湿ケアをして角質肥厚と皮脂の分泌量が過剰分泌になるのを予防しましょう。

 

また、にきびのない美肌を目指すための美容習慣には、ホルモンバランス改善策として、ストレスや睡眠不足に注意し、食生活を見直すなど生活そのものの環境作りも大切な要素。
ライフスタイルの乱れが原因の肌荒れやニキビが出来ていないか、自分の生活習慣を見直してみましょう
ニキビの根本原因を知り対策することが、ニキビレスの美肌への近道です。

皮脂の過剰分泌

ニキビは毛穴にアクネ菌が繁殖するのは、アクネ菌のエサとある皮脂が過剰分泌により毛穴に溜まってしまうからです。
実は両親のどちらかが脂性肌(別称:オイリー肌)の場合、生まれてきた子供が脂性肌である可能性は非常に高いと言われているので、毎日のスキンケアで余分な皮脂を洗い流すことができなければニキビトラブルにつながるでしょう。

 

「肌質だから」と諦めるのではなく、ニキビを作らない洗顔を。

上記で紹介した通り、遺伝によってニキビの症状が出ることはないので、正しいスキンケアをすることでニキビを予防することは可能です。
そして、もしニキビになったとしても炎症を起こす前の“白ニキビ”や“黒ニキビ”のときに完治させることを心がけると、ニキビ跡などに悩むことがなくなりますね?

 

そのために大切なのは、強すぎず、弱すぎずの肌質に合った洗浄力の洗顔料を選ぶこと。
そして、古い角質や角栓など、毛穴の汚れをしっかりと吸着して洗い流してくれる、キメの細かい濃密泡で洗顔することです。

 

また、ニキビを作らせないニキビ予防として洗顔は効果がありますが、ニキビになりにくい健康な美肌作りには基礎化粧品などを利用したスキンケアも洗顔と同じく気をつけていきたいところ。
そのため洗顔後は、乾燥(皮脂の過剰分泌をさせる原因)からお肌を守る保湿成分(セラミド・コラーゲン・ヒアルロン酸など)、肌に浸透しやすく皮脂分泌抑制効果や抗炎症作用をもつビタミンC誘導体など、ニキビにも効果が期待できる美容成分配合の基礎化粧品(化粧水、美容液)でスキンケアの仕上げをすることをおすすめします。

 

 

 

ニキビが遺伝と全く関係がないわけではありませんが、ニキビそのものが遺伝するのではないので、ニキビ予防に重点を置いたスキンケアをすることでニキビトラブルを解消できることが判りました。
当サイトではニキビ予防にアプローチできる洗顔料ランキングを作成しているので参考にしてください。