カサつく肌はスキンケアよりも洗顔の見直しが大切!?その理由とは

 

元々の肌質で悩む人はもちろん、季節の変わり目や体調の変化などで突然、肌が揺らいで傾いてしまいがちなのが肌の乾燥。

 

中には、夏の暑い時期でも保湿ケアが欠かせない人もいるくらいですが、乾燥肌は洗顔方法の見直しで改善できることもあるって知っていましたか?

 

乾燥肌とはどういうものなのかに加え、正しい洗顔で目指す肌質改善について徹底調査しました。

 

乾燥肌の特徴とは

乾燥肌の症状をチェック!

 

日本人は体質的に肌がきめ細かく、乾燥しやすい肌質だといわれ「自分は乾燥肌」と悩んでいる人もいる反面、本当は乾燥肌にもかかわらず自覚していない人の数も多いです。

 

乾燥肌がどういったものなのか、しっかり理解している人は意外に少ないのが原因と言えるでしょう。

 

実は、当たり前のように私たちが「肌」と呼んでいるのは、一番上の表皮部分ですが、皮膚を構成しているのは表皮、真皮、皮下組織という3種類の構造で成り立っています。

 

さらに表皮は上から角質層、顆粒層、有棘層、基底層という層状構造をしており、角質層に存在している水分や、水分保持の役割をもつ細胞間脂質が少なくなり、表皮の外側にある皮脂膜の油分も不足したのが「乾燥肌」と言う状態。

 

肌の乾燥と聞けば水分が不足しているイメージが強いですが、実際は水分蒸発による油分の減少も当てはまるのです。

 

◆乾燥肌に当てはまる肌の状態や症状

・洗顔後すぐに肌がつっぱる(もしくはつっぱり感が長引く)

・朝起きると肌が乾燥している

・朝にしっかり保湿しても昼には乾燥してしまう

・スキンケアをする際、規定量では物足りないと感じる

・肌が白い粉を吹く

・化粧水を使用するとピリピリとした痛みを感じる(もしくはしみる)

・ファンデーションがすぐに浮いてしまう(メイク崩れしやすい)

・肌がごわごわしている

・冬以外の季節も乾燥が改善しない

・大人ニキビが頻繁に出来る

・キメの崩れ、乾燥ジワなどが目立つ

 

乾燥肌にあてはまる症状を見るとわかる通り、水分と油分のバランスが乱れた肌状態は、バリア機能の低下やターンオーバーの乱れにも影響を与えます。

 

それは、皮膚には体外保護作用、体温調節作用、知覚作用、分泌排泄作用、合成作用、呼吸作用、免疫調整作用、呼吸作用の8つの作用をもっているため。

 

これらは、皮膚組織を健やかに保ち生命活動を滞りなく行うために欠かせないものですが、表皮の状態が悪くなると正常に働かず、様々なトラブルに繋がってしまうのです。

 

表皮の状態は角質層の水分量に大きく左右されるので、急な肌トラブルに見舞われた場合、肌の乾燥は一番に疑うべき要因だと言えるでしょう。

 

 

洗顔方法の影響

スキンケアの基本は洗顔ですが、正しい洗顔は乾燥対策においても重要なポイントになります。

 

ただし、洗顔が肌に与える影響は何もいいものばかりではないので、ぜひ正しい洗顔による肌への期待できる効果と、間違った洗顔がもたらす影響を確認しておきましょう。

 

正しい洗顔で期待できる変化

正しい洗顔で脱・乾燥肌

 

洗顔は蓄積した古い角質、皮脂、そして付着したチリやほこりを洗い落とす作業ですが、正しい洗顔を行えば、汚れを落とす以上の効果を期待できます。

 

肌質改善効果

毎日の洗顔は乾燥をより悪化させてしまう印象も強いですが、丁寧な汚れ落としこそ肌質改善の効果が期待できます。

 

確かに、洗顔後はわずかながらも必要な皮脂を洗い流してしまうため、一時的に肌は潤い不足になりますが、古い角質の蓄積を防いで皮脂汚れを落として酸化対策をすれば、水分と油分のバランスを整える乾燥肌の改善に有効です。

 

バリア機能の強化

皮膚のもっとも大きな作用である体外保護作用は、単にクッションとなって衝撃から内部器官を守るだけではありません。

 

・慢性的に刺激を受けやすい肘や膝、顔なら顎の角質が厚くなる

・紫外線に反応してメラニン色素を生成する

・角質表面から弱酸性の皮脂を分泌して細菌や真菌の繁殖を防ぐ

・汗と皮脂が混ざって皮脂膜という天然のクリームを肌表面でつくる

 

これら体外保護作用をサポートして、外からの刺激に負けない肌作りに取り組めます。

 

ターンオーバーの正常化

正しい洗顔は肌の活性を高めますが、ターンオーバーの促進にも有効です。

 

メラニン色素や不要な代謝産物などが含まれており、蓄積すれば肌のごわつきやくすみ、乾燥など引き起こし、肌の見映えが悪くなるだけではなく肌の内部環境も壊しかねません。

 

毎日の洗顔で代謝のサポートをすれば、くすみとごわつきの解消だけでなく、細胞の生まれ変わりが活発化するため、コラーゲン線維などの合成を支えるのにも役立ってくれます。

 

ターンオーバーの正常化には睡眠や食事の見直しも有効ですが、もっとも効果的なのは正しい洗顔だと言えるでしょう。

 

間違った洗顔で悪化する恐れ

間違った洗顔は乾燥以外の悪影響も!?

 

正しい洗顔で汚れ落とし以上の効果が期待できるように、間違った洗顔は思わぬ肌への負担やトラブルの原因にもなってしまいます。

 

肌質の複雑な変化

水分を含んでおらず死んだ細胞の古い角質や皮脂をきちんと落とさないと、肌がごわつくだけでなく肌表面の水分量が減少し、乾燥が悪化します。

 

さらに、肌は乾燥すると防衛反応により皮脂を過剰分泌するため、複雑な混合肌や敏感肌になったり、過剰な皮脂の酸化で毛穴詰まりを起こしニキビになることも。

 

コンディションの悪い肌なら、本来肌を守るはずの皮脂膜もうまく形成できないため、バリア機能も低下し、負のスパイラルへと陥ってしまいます。

 

肌トラブルのリスク

水分不足になると、バリア機能が低下したり肌代謝が乱れて、毛穴の開きやシミ、シワ、たるみ、大人ニキビの原因に繋がります。

 

ですが、ゴシゴシ擦る洗顔やすすぎ残しで洗顔料が肌に残ってしまうのは、大きな肌トラブルへ発展する間違った洗顔方法。

 

敏感肌はあらゆる外部からの刺激に反応してしまうため、場合によってはいつもの日常生活ですら大きなダメージとなってしまうのです。

 

誤った洗顔はターンオーバーを低下させるため肌の代謝も落ち、くすみやごわつきが目立ったリ、たるみやシミといったわかりやすい老化現象も促してしまいます。

 

スキンケア効果のダウン

間違った洗顔で肌がごわついてしまえば当然、化粧水や乳液、クリームと言ったスキンケア化粧品でお手入れしても浸透力を妨げてしまうものです。

 

そのため古い角質が蓄積し乾燥で硬くなった肌は、スキンケア効果をダウンさせてしまいます。

 

落ち葉がたっぷり降り積もった地面に水をかけるより、直接土に水をかけた方が浸透も早く確実なように、いくら高価な化粧品でも本来の効果を発揮できません。

 

 

乾燥肌のための正しい洗顔方法

正しい洗顔方法について、洗顔前の準備から洗顔後の水分の拭き方までを説明します。

 

準備

洗顔準備もカサつき対策に重要です

 

洗顔後に濡れた髪が顔につくと、せっかく洗浄した顔に雑菌が付着してしまうので、髪に顔がかからないよう髪を結び、ヘアバンドなどで前髪をおさえましょう。

 

次に、汚れて泡立ちを悪くさせないためにも手をしっかり洗ってから、顔をすすぎます。

 

顔を濡らさずにいきなり洗顔料を顔につけると刺激となり、摩擦も大きくなるので、流水のぬるま湯できちんと泡立てていきましょう。

 

ここで気を付けたいのが、夏の目覚まし代わりに冷たい水を使ったり、冬場に暖かいお湯を使うこと。

 

この後の洗顔料の泡立ちを悪くするだけではなく、水温の刺激が赤ら顔、皮脂の落とし過ぎにもつながるので、必ずぬるま湯を使ってください。

 

ネットや泡立てブラシなどのアイテムを駆使して洗顔料を泡立てていき、力強く弾力のある泡を作りましょう。

 

泡が細かくなればなるほど、毛穴やキメの細かいところにまでいきわたって洗顔効率が上がります。

 

慣れれば手でも十分泡立てることができますが、時間もかかるため、ぜひ使いやすいアイテムを探してみてください。

 

洗顔

洗顔はとくに肌への刺激に注意

 

洗顔料と触れる時間が長くなればなるほど、肌にとっては刺激となるので、洗顔は1分程度を目安にしましょう。

 

まず、皮脂量の多いTゾーンを洗浄するために、中指と薬指の腹で円を描くようにしながら汚れとなじませてください。

 

手のひらや指先全体を使うと、力が入りすぎて摩擦が大きくなってしまうので注意です。

 

Tゾーンと同じようにUゾーンを、中指と薬指を使ってクルクルと円を描きますが、乾燥しやすい頬や口元などは、最後に軽く泡をのせる程度で大丈夫なので、泡をクッションにして指先が肌に触れないように気を付けましょう。

 

洗顔後

しっかり洗い流しましょう!

 

汚れと泡がなじんだら、手で肌を擦らないよう、ぬるま湯で手早く丁寧に洗い流しましょう。

 

バシャバシャと擦るようにすすぐのではなく、ぬるま湯をすくった手に顔を近づけて、優しく顔に流しかけていってください。

 

流し終わったと思ってからさらに3回ほど洗い流すくらい、しっかり泡を落としましょう。

 

泡が残ると肌に刺激を与え、トラブルの原因となってしまうので、生え際や眉間、小鼻の周り、耳や顎などすすぎ残しがないか鏡でチェックしてください。

 

難しいかもしれませんが「手早く、でも確実に」という洗顔方法を意識して、習慣化させましょう。

 

タオルで顔を拭く際も、摩擦には注意して、顔を擦るのではなく、優しく押し付けるようにして水分を吸い取ってください。

 

 

洗顔石鹸選び

洗顔石鹸は石鹸素地・グリセリンに注目!

 

乾燥肌の場合、洗顔方法はもちろん正しい石鹸選びも重要になってきます。

 

おすすめの洗顔石鹸は、合成界面活性剤不使用で、保湿剤が配合されているもの。

 

合成界面活性剤は、その全てが肌にとって悪というわけではありません。

 

ですが、石油系のものは肌に残りやすかったり、保湿の要である角質細胞間脂質まで洗い流すほど強い洗浄力を持っています。

 

同じ界面活性剤を使用するのであれば、洗浄成分が長時間持続せず必要な潤いまで洗い流さない、石鹸素地が使われた石鹸がリスクを考えると安全と言えるでしょう。

 

さらに、米ぬかエキス、オリーブオイル、ホホバオイル、茶葉エキス、ローズマリーエキス、シア脂など植物由来の保湿成分や、肌にも存在しているヒアルロン酸やコラーゲンといった天然由来成分がおすすめです。

 

また、保湿成分として有名なグリセリンは石鹸素地の製造の際に生まれる副産物であり、無添加タイプの石鹸にも配合されています。

(製法によっては除去されることもあるので、成分表示をよく確認しましょう)

 

グリセリンは肌への刺激がとても少なく、乾燥肌や敏感肌の人にも安心して使える保湿成分なので、石鹸選びの際に保湿剤で迷うことがあれば、グリセリン配合のものを選ぶといいでしょう。

 

パッチテスト

パッチテストで刺激も確認しましょう

 

初めて使う洗顔料は配合成分が刺激とならないか、必ずパッチテストを実施してください。

 

入浴後の清潔な状態で、皮膚が薄い二の腕の内側などに洗顔料を塗り、3分~4分経ったら洗い流します。

 

まずは洗い流した直後の肌に赤味や痒み、腫れがないか確認して24時間後に再度、肌の変化を観察しましょう。

 

少しでも異常が見られた場合は、その時点でパッチテストを中止してください。

 

また、絆創膏でかぶれを起こさないタイプの人は、より簡単なパッチテスト方法もあります。

 

洗顔料を水で希釈して肌に塗布した後、絆創膏を張り付けて直後の違和感をチェックした後、そのまま半日ほど様子を見て、絆創膏を剥がして再度変化がないか確認してください。

 

 

洗顔以外で覚えておきたいこと

洗顔以外にも、乾燥肌の改善や悪化に影響するものはたくさんあります。

 

クレンジング

メイク落としの種類もチェック

 

お化粧をした日は洗顔の前にメイク落としをするのは必須ですが、クレンジングは肌に負担をかける行為でもあります。

 

クレンジング料は油分と界面活性剤のバランスが重要であり、油分が少なすぎればメイクがきちんと落ちず、逆に多すぎればその油分自体を落とすために、界面活性剤の配合量が多くなっているため。

 

少しでも乾燥肌の負担を抑えるなら、油分の多いオイルタイプや少なすぎるリキッドタイプは避けたほうがいいでしょう。

 

また、肌を擦って摩擦が多くなってしまうシートタイプや、水分の多いミルクやフォームタイプもおすすめできません。

 

乾燥肌に使ってほしいのは、摩擦が少なく油分の量が絶妙なクリーム、もしくは乳化ジェルです。

 

メイクを落とす際にはクレンジング剤を多めに使い、洗顔よりも手早く40秒以内に終わらせるようにしましょう。

 

スキンケア

油分も与えるスキンケアが大切

 

乾燥したお肌を潤すためのスキンケアも、間違った方法で行えば乾燥を促進してしまうので最低限「化粧水だけ」といったお手入れはしないようにしてください。

 

肌の水分の大部分を保っているのは、細胞間脂質の一つであるセラミドですが、保湿ケアではいかにセラミドを肌に届けるかが重要になってきます。

 

ですが、セラミドは油溶性成分であるため、通常化粧水には高配合できないので、スキンケアにはぜひ、セラミド配合の乳液・美容液を取り入れるようにしましょう。

 

化粧水の主な役割は水分を肌に与えることですが本来肌の水分は外部から与えられるものではなく、内側からしみ出てくるもの。

 

化粧水で与えた水分は、そのほとんどが蒸発してしまうので、バリア機能の皮脂膜のように油分を含んだ乳液やクリームでしっかり蓋をしてあげましょう。

 

生活習慣

規則正しい生活でインナーケア

 

生活習慣を見直すことは、乾燥肌の改善に実に効果的ですが、とくに、肌は眠っている間に修復・再生が促されるため睡眠は重要な部分。

 

乾燥で弱ってしまったバリア機能も、睡眠をしっかりとることで取り戻す手助けになるでしょう。

 

また、修復するための栄養素を摂り込む食事では、いろんな食材をバランスよく摂取するのも必要。

 

とくに、ビタミン類(野菜類、青魚、レバー、ナッツ類、果実類など)、亜鉛(牡蠣、赤身肉、卵黄)、α―リノレン酸(アマニ油、えごま油)などの摂取が、乾燥肌には有効です。

 

そして、喫煙習慣のある人やアルコール摂取の多い人も、乾燥を悪化させる恐れがあります。

 

タバコで破壊されるビタミンCはコラーゲンの合成に使われるため、コラーゲン量が減少して正常に機能しなくなってしまうのです。

 

コラーゲンの働きが弱まると、ハリを失いたるみが表れるだけではなく、水分を捉えて離さない機能も低下するため乾燥も招いてしまいます。

 

また、肌のうるおいは体内から染み出てくるものなので、アルコール分解に大量の水分を使ってしまうのも、乾燥肌の原因のひとつと言えるでしょう。

 

肌が乾燥する原因

あらためて、角質層の水分が減ってしまう乾燥肌の根本的な原因を知ると、改善方法の重要性がわかります。

 

外側からの刺激

紫外線や摩擦で肌がカサつく!?

 

肌表面には外部の刺激から肌を守るために、皮脂膜が覆われていたり弱酸性に保たれていたり、バリア機能が備わっています。

 

ですが、私たちの生活環境は、バリア機能すら破壊してしまうような外的刺激に溢れているのです。

 

たとえば洗顔やスキンケア、メイクによる物理的刺激やメイク成分、洋服や髪の毛との摩擦。

 

紫外線の刺激もとても大きなものですし、空中に無限に飛散しているほこりやチリもダメージとなることも。

 

これらの刺激を受けることで、肌は防衛反応により角質層が厚くなれば、肌がごわつき代謝の低下や乾燥による毛穴詰まり、さらにはスキンケアの浸透力を妨げる肌となってしまいます。

 

内側からの刺激

ホルモンやストレスが大きく影響!

 

肌の乾燥の原因になるのは、外側からの刺激だけでなく、加齢によるターンオーバーや肌活性の低下、生活習慣やホルモンバランスの乱れといった内的刺激もあてはまります。

 

セラミドなどの細胞間脂質は角質層で水分を保持し、ヒアルロン酸やコラーゲンも水分保持に欠かせない存在ですが、これらは加齢とともに減少します。

 

歳を重ねるごとに乾燥が進み、肌がたるみ、柔らかさを失ってしまうのはそのためです。

 

また睡眠不足や偏った食生活も、水分保持力を減少させる要因であり、刺激のひとつといえるでしょう。

 

さらに、肌の潤い成分の生成には女性ホルモンの分泌が欠かせない存在ですが、ストレスによる自律神経の乱れは、視床下部を通してホルモンの分泌にも影響を与えます。

 

つまり、毎日のストレスや乱れた生活習慣がホルモンに影響を与え、結果的に肌への負担と繋がってしまうのです。

 

内部からの刺激を最小限にするためには、質の良い睡眠や栄養バランスのとれた食生活など、生活習慣をしっかり整えていきましょう。

 

乾燥肌の改善には、スキンケアや生活習慣の見直しが有効ですが、一番大切なのは毎日の洗顔です。

乾燥肌の正しい洗顔方法をマスターして、肌質改善を目指した美肌ケアに取り組んでいきましょう!

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